空港からタクシ−を飛ばし、旧市街に近づくにつれて、初めて海外旅行したときのような高揚感が沸々とこみ上げてきた。
こんな感覚、久しぶりだよ。
世界最古の街の一つと呼ばれる首都サナア。
噂以上に素晴らしいロケ−ションで、マジで感動。
べールで顔を隠した女性、半月刀ジャンビーアを腰に装着し誇らしげにストリ−トを闊歩する男達、スパイスの香り漂う市場(スーク)、
夜明けの礼拝へと誘うミナレットから流れるアザ−ン、そして数百年の時を封じ込めたまま林立する高層建築群…。
どれ一つとっても新鮮で、まさにアラビアンナイトそのままの世界が堪能できることうけあい。
かって、蔵前仁一が旅行雑誌「旅行人」誌上で世界のベスト沈没地として絶賛していたけど、なるほどなぁと思ったね。
欧米カルチャ−があからさまに入り込んでいないのがいいよ。
世界文化遺産に指定されているのも素直に頷ける。
なによりも、人々が想像以上にフレンドリーなのでビックリしてしまった。
ある意味、これは奇跡ではないのか。
2006年の最後の渡航先にイエメンを選択したのは間違いではなかった。


さて、イエメン入国に関して心配していたことが一つだけあった。
現在、この国では個人旅行者に対して厳しい入国規制があり、
アフガニスタン、パキスタン、イランの入国記録が記載され、
イエメン所在の企業、団体または旅行業者の支援を受けていない者はたとえビザがあっても入国を拒否されるというもの。
最悪の場合、帰りの便でそのまま返されるケースがあるという。
小生はパキスタンビザを2枚所有しており、ある程度クレ−ムがつくことは覚悟していたのだが…。
空港のイミグレが近づくにつれ、徐々に緊張感が増す。
「なにごとも起こりませんように〜!」
神に祈るような気持ちで並んで待つこと数分。
結果的には簡単な質問だけで、当然別室に送られることもなく、拍子抜けするほどあっさりと通過できた。
とりあえず、ホッと一安心。

なお、空港でのビザ発給はしばらく停止していたようだけど、2005年11月20日現在、国籍に関係なく一律60ドルで取得できます。
写真も書類も複雑なことは一切必要ありません。
所要時間、なんと3分!(笑)
これだったら、なにも苦労して日本で取ってくることはないかも。